ゲームの複数キャラクター声を自然に作る方法
同じ声なのに、録り方で別人になる
ゲームの会話デモを作っていたとき、少年役と老店主役の声が、再生してみるとほとんど同じに聞こえました。設定では別人なのに、耳には「少し高い同じ人」としか入ってこない。そこで声の加工方法ではなく、まず参考音声の録り方を疑ってみました。
ここは、音声クローンを使うときに意外と見落とされがちな部分です。マイクから口までの距離が毎回違う、部屋の反響が入る、語尾を急に切る。こういう小さな乱れが残ったまま声を作ると、出力音声にも機械っぽいクセが出やすいんです。
今回比べたのは、無料で使えるVoxCloneと、普段よく使われるAudacityで録音した声をボイスチェンジャーアプリで加工する方法です。VoxCloneは無料声音克隆として、登録なしでブラウザから試せます。素材は同じにして、少年、冷静な女性隊長、コミカルな商人の3役を読ませました。
参考音声は「上手に読む」より安定が大事
最初の録音では、私はつい演技を張りすぎました。少年役だからと声を高くし、商人役では大きく笑う。結果はどうなったかというと、感情の揺れが大きすぎて、声の芯が場面ごとに変わってしまいました。人間が聞けば演技の幅ですが、音声を元にする側からすると、別の話者が混ざったような素材です。
録り直しでは、静かな部屋でマイクとの距離をほぼ一定にし、普段の声に少しだけ役柄の色を足しました。空調を止め、机を叩かず、文の前後に短い無音を残す。息を完全に消そうとはしません。息まで削ると、きれいにはなっても妙に平らな声になりがちだからです。
読み上げる文章も、短い一文だけでは足りません。「行くぞ」「了解」だけでなく、質問、驚き、ためらい、長めの説明を混ぜると、ゲームの会話で使うときの違いが見えます。TikTok向けの短い動画なら勢いが勝つこともありますが、YouTubeの寸劇やニコニコ動画の掛け合いでは、語尾と間の自然さがかなり目立ちます。
VoxCloneとボイスチェンジャーを同じ台本で比較
同じ日本語の台本を使い、まずVoxCloneのオンライン文字読み上げで3役分を作りました。少年役は高めの設定にしても声の輪郭が残り、隊長役は落ち着いたテンポにすると短い命令文が聞き取りやすい。商人役は少し明るい文章にすると、声を無理に低くしなくてもコミカルさが出ました。
特に差が出たのは、短いセリフを連続させた場面です。「待って」「本当に?」「今行く」という3文を別々に作っても、声の方向性が崩れにくい。もちろん、すべてが人間の収録と同じになるわけではありません。感情を極端に盛った叫びや、泣きながら笑うような演技では、少し整いすぎた印象が残りました。
一方、Audacityで自分の声を録り、ボイスチェンジャーアプリで高さとフォルマントを動かした方法は、叫び声や笑い声の勢いでは勝ちました。自分で演じたニュアンスがそのまま残るからです。ただし、少年から老店主へ切り替えると、声の加工感が急に前へ出ます。とくに「さあ、こちらへどうぞ」のような長いセリフでは、低くした声の奥に元の話者が見えてしまいました。
3役で聞き比べて分かったこと
少年役では、VoxCloneのほうが細かい台詞を量産しやすいと感じました。ゲームの仮ボイスを何十本も作るなら、声優さんに一文ずつ録り直してもらう前段階として便利です。棒読みを避けるには、入力する文章の句読点を調整し、短文を詰め込みすぎないこと。ここを雑にすると、無料のサービスでも有料のソフトでも不自然になります。
女性隊長役はかなり接戦でした。感情を抑えた指示台詞ならVoxCloneが聞きやすく、細かな怒気や疲労感は自分で録音して加工したほうが出しやすい。たとえば「また同じ報告?」という一言でも、声を荒らげるのか、ため息まじりに言うのかで人物像が変わります。この差は、単純な音程変更だけでは埋まりません。
商人役では、ボイスチェンジャー側の勢いが楽しかったです。笑い声や語尾の崩し方は、自分で演じたほうが一発でキャラクターになります。ただ、その素材をそのまま長いナレーションに使うと、聞く側が疲れます。VoxCloneは派手さが少ない代わりに、説明台詞を一定の音量で続ける用途に向いていました。
検索で迷いやすい「クローン」の話
音声を調べていると、「クローン ソフト 無料 窓の杜」や「クローン for windows ダウンロード」という検索結果も出てきます。さらに「ドライブ クローン 無料 ソフト」「無料 ディスク クローン ソフト」まで並ぶので、初めて探す人は少し混乱するかもしれません。これらは主にストレージやバックアップの複製に関する話で、ゲームキャラクターの声を作る音声クローンとは別ジャンルです。
「クローンソフト 無料 おすすめ 知恵袋」や「クローン ソフト 無料 windows 10」と検索しても、パソコンのディスク移行の記事にたどり着くことがあります。「クローン フリーソフト windows10 無料」「クローン フリーソフト windows11 無料」「windows 10 クローン 無料」も同じ傾向です。声の作成が目的なら、OS用ソフトの比較ではなく、ブラウザ上で音声を扱えるサービスを探したほうが早いです。
ちなみに「クローン for windows マニュアル」を探している場合も、音声ではなく別のクローンソフトの説明書が中心になります。VoxCloneはそうしたディスク複製ソフトではなく、音声を作るためのオンラインサービスです。パソコンに何かをインストールしたり、複雑な設定を先に覚えたりせず、VoxCloneのトップページから試せる点は、ゲームの企画段階では助かります。
番組収録やゲームデモで使うなら
実際の使い道としては、完成版の声優収録を置き換えるというより、企画書、絵コンテ、プレイ動画の仮ボイスに向いています。たとえばYouTubeで新作ゲームの紹介動画を作るとき、キャラクターごとに仮の声があるだけで、画面のテンポを決めやすくなります。ニコニコ動画の掛け合いでも、3人分の台詞を先に入れておくと、字幕の長さや間の調整が見えます。
番組収録の現場でも、ナレーション案件の本番音声を置き換えるのではなく、台本チェック用に使うなら現実的です。私は以前、30秒の告知映像で絵とテロップのタイミングを確認するため、仮ナレーションを先に作りました。声の完成度より、「この一文は長すぎる」「ここで画面を切り替える」と判断できたことのほうが大きかったです。
収録前には、参考音声を一度で完璧にしようとせず、同じ距離・同じ部屋・同じ声量で短く録るのがおすすめです。VoxCloneで複数キャラクターを試し、気に入った役だけ人間の声優さんに本収録してもらう流れなら、準備の無駄も減らせます。詳しい使い方や音声制作の話は、その他のチュートリアルにも順次まとめています。
夜、自作ゲームの酒場シーンに少年、隊長、商人の声を入れてみたら、VoxCloneで作った仮ボイスのおかげで、商人だけ台詞が長すぎるとすぐ分かりました。参考音声は上手に演じるより、静かな部屋で距離をそろえて録る――今はその一手間を済ませてから、キャラクターの声を作っています。